草花の栄光


長年愛用していたシルバーのラップトップ。
必然と言うか定めと呼ぶべきか突然のクラッシュ。
進まぬ筆に業を煮やしてなのか画面がBlack Out。
そこはWhite Riotじゃないのかよ、っと
・・・・違うな今日はこのノリじゃない。

 

 

 

思い出の写真や貴重な音源、消せないメールのログ。
大切なデータが詰まっていただけによっぽどデータの
サルベージだけでも依頼しようとも思ったが止めた。
なんとなく止めておいた。

 

 

 

ゴーディーが鹿に遭遇したエピソードを
親友たちにさえ黙っていた感じ。
そんな「なんとなく」なんだろう。
多分そうすることが一番いいと思った。

 

 

 

静かにディスプレイを折りたたみ
まだ少し熱を帯びているのを掌で感じとる。
思わずWordsworthが浮かんでくるあたり
我ながらベタすぎると苦笑い。

 

 

 

 

 

しばらくの間、何も書く気が起きなかった。
書こうと思っても最初の1フレーズさえ書けない。
「この言葉は正解なのか?」
意味の無い問いに囚われていた。

 

 

 


言葉の重みを感じていたからこそ、
どんな言葉を選んでも不正解な気がして
「言いたいこと」と「言うべきこと」
の狭間にて立ちすくんでいた。

 


未だに答えは出せずにいるままだ。

 


こんな文章を書くべきなのか?
ということすら迷い、悩んでいた。

 

 

愛機のクラッシュがきっかけ。
これも一つの啓示だと思えた。
区切りをつける時だと。

 


書きたいことと書くべきことが
一致した日がもし来たならば
ここに記すことにしよう。

 

 

出だしの1フレーズが
いつか見つかるその時までは
この様なセンチな文章とは暫しお別れ。
今日で最後、サヨナラだ。

 

 

  

 

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