掌の中に

 

 

 

 

 

筋子~!!」

 

 


勢いで声に出してしまうと

思わず”蛍の墓”を連想。

別に欲しくも何ともないサクマドロップを

わざわざ探しにスーパーへ。

 

 

 

レジ待ちの列に並びながら

「一体、俺は何をしているのだろう?」

自問自答するも答えは出ず。

 

 

 

会計を済ませ車の中でさっそく

ドロップを一粒取り出し掌の中へ。

気分だけは石川啄木。じっと手を見る。

 

 

 

「一握の砂と一粒のドロップ、
 一体どちらに価値があるというのだい?」

意味深なようで無意味な問いを投げかける。

雪色したドロップは当然答えない。

ただ、ゆっくりと溶けていくだけ。

 

 


ハッカの匂いが鼻孔の奥に届いたとき

あの夏の思い出がほのかに蘇る。

思ひでぽろぽろ。

年甲斐もなくジブリフリークな

一面を発見した下弦の月灯る22時。

 

 

 

 

 

 

お昼ご飯の筋子のおにぎりの

パッケージをじーっと眺めてたら

思いついたってだけのお話。

それをわざわざ行動に移すあたりが病的。

でも、元気。うん、通常運転だね。

 

 

 

「それが問題だ。」

ハムサンドをギムレットで流し込み

左脳からの突っ込みは無視をすることにして

そろそろ寝ます。おやすみなさい。

 

  

 

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