2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Wash under the Rainbow

冬の面影が朧気な記憶に変わっていた若葉の頃暖かな日差しの下 背筋の伸びた物干し竿無機質な洗剤の芳香 ダラダラと回る洗濯機やる気のない音が面倒くさそうに響く ドラム式の槽内を 泡沫にまみれたシャツが回るグルグル グルグル 変わらぬリズムで。昼夜問…

ニッチ様美寄りの死者

シャララッラー シャララッラーラ数年前のある日のこと。鼻歌交じりで国道を走らせていた。ツレと一緒にドライブへ。 週末前のアフター5、せっかくだから遠出して知らない街でご当地飯でも食べようと隣県まで足を延ばすことにした。 「どんな店があるだろう…

誤用の家の日

「何ちゃらとハサミは使いよう」 少し暈すあたりは気の使いよう。 侮蔑の意味合いで誤用されることも多いこの諺であるが本来は 「切れ味の悪いハサミでも上手に使えば 物を切ることが可能であるように 人も使い方一つ、使用者の力量が試される」 上記のよう…

遠回りした帰り道

古代より月は神秘の象徴として崇められてきた。月の灯りは人を魅了し狂わせるというがそれは間違いだ。人はお月様の前では素直な姿を晒してしまう、ただそれだけだ。 北風と太陽の逸話にあるよう、人の本音や感情を露わにするのに必要なのは力ではない、優し…

古びた桃を絞ってみれば

心のギアはニュートラルに入れておく。前進・後退、あらゆる方向に柔軟に対応出来る様カーラジオからそのシンガーは唄っている。少しハスキー、力強くも繊細な歌声で。 「僕たちはお伽話に毒されていたんだ。」 危機的状況にはヒーローが、眠れるお姫様には…

その斧で断つべきモノとは?

ふっと一息つき、窓の外を眺めれば桜の季節になっていた。 長い冬の期間を耐え、蕾はやがて花咲かせる。 その様相は人の成長過程を彷彿とさせ、 新たな門出を祝福するのは桜を於いて他にはない。 社会情勢はもとより私的な問題から疲れきった瞳にて眺める。 …

Cycling Days

昨日やらかした仕事での大ポカが尾を引き、 抑鬱とした気持ちで真夜中に目が覚めた。 気分を入れ替えるべく、冷水で顔を引き締める。 鏡に映った面影に妙な既視感を覚えた。 ああ、先日見たばかりの表情だったな。でも、もっと前にも見たような気が・・・思…

全力狼少年

「おお、紙がないぞ!」 トイレの中なら悲劇の幕開け、 デマと判明した後も朝早くから ドラッグストアに並ぶ光景は喜劇そのもの。 下らないデマを流し混乱を招いたこと 自体は非難されて然りだと思う。 しかし、冷静な判断が出来ず 復旧を遅らせた当事者であ…