OZでorz

朝晩の冷え込みに毛布を一枚追加する。

知らぬ間に秋が通り過ぎ

冬の足音が聞こえ始めていることを実感。

 

 

大切な季節の移り変わりさえも

気が付けない程に

目まぐるしく過ぎる日常。

 

 

忙しいとは心を亡くすと書く。

多忙な毎日の中で亡くしてまった

大切な心達。

 

 

清廉で冷たい空気を纏った秋空に

亡くした心の1シーンが幽かに浮かんだ。

 

 

 

 

関係は修復不能なまでに冷め切っていた。

すれ違いの時間が増えていたこと、

お互いに言わなくても通じるだろうという

甘い考えから言葉を大切にしなかったこと、

思い当たる原因は挙げればキリがない。

 

 

 

「言葉を大切にしないヤツは

 心も大切にすることも出来ない。」

 

 

 

何かで読んだことのあるセリフが

鋭敏な痛みを伴って実感させてくれる。

 

 

 

お互いを思いやる気持ちはあっても

僕らはそれを言葉にすることを怠ってきた。

言葉にされない愛情は

いつしか陽炎のように霞んでいったのだ。

 

 

終焉は二人の共通認識であり、

平穏に幕が降りると思っていた。

関係の終わりを告げると予想に反して

彼女は頬に一粒の雫を流し、呟いた。

 

 

「あなたは五月のプールみたいな人ね。」

 

 

 

少しばかり詩的で核心を突いた例えに

傷つくより先に感心してしまった。

水泳部経験者であればプール開き前の

冷たさを知らない者はいないであろう。

 

 

 

痺れるような手足の感覚と紫色に染まる唇。

歯の根が小気味良いビートを刻む。

バスタオルという無機物に対し

温もりを感じるのもこんな時ぐらいなものだ。

 

 

 

自分が冷たい人間であることは分かっている。

冷血漢、鬼の子、南極野郎、ドライアイスマン、

様々な呼ばれようにて自覚させられてきた。

 

 

 

ドライアイスマンという変わった二つ名を

授けてくれた友人曰く

「ドライでさ、その上冷たいじゃん。

 沸点も低いし人を煙に巻くのが上手いから。」

 

 

 

お上手。でも嬉しくはない。

人として大事な感情が欠落していることは

認めるが、そんな冷酷マシーンにだって

一片の優しさというものは持ち合わせている。

 

 

 

雨に震える子犬がいればそっと抱き抱え、

雪の降る晩にはお地蔵様に傘を、

おなかをすかせ泣いているカバオ君には

「僕の顔をお食べよ。」

そんな優しさぐらいは残している。

 

 

 

子犬には噛みつかれ、

お地蔵様からは舌切り印の大きい葛篭を、

カバオ君は食中毒。

 

 

 

時に裏目るのはしょうがない。

気持ちが相手に上手く伝わらず、

却って悪い印象を持たれたり

事態の悪化を招くこともある。

 

 

 

それ故に手を差し伸べたいと思っても

「かえって迷惑かな?」

「変に思われないかな?」

迷いの感情が二の足を踏ませがちになる。

 

 

 

それでも優しさを忘れてはいけない。

人を想うことは素晴らしく、

優しさによってのみ救われることもある。

 

 

 

伝わらなくても別にいいじゃないか。

相手を想う気持ちに嘘はない。

大切なのは気持ちを行動に変えること。

さあ、勇気を持って一歩踏み出そう!

 

 

 

 

ここ最近、上司の毛髪の量が増加している。

不自然なまでに。黒き光沢を伴って。

あまりの変貌ぶりについつい目線が上に行く。

触れていいものやら触れずにいることが

優しさなのかそれが分からずヅラい、基、ツラい。

 

 

 

もともとユーモアを慨さない人物ではなく

自虐的なネタで周囲の笑いを誘う人物である。

そんな彼が自らネタにしないということは

触れてはいけない心の傷跡だったのだろうか?

 

 

 

寒さに震えた頭皮、失礼、心にやっと傘を

被せてもらえたのでは?

リーブおじいさんかマープおじいさんに。

そんな素敵な出会いに土足で踏み込むほど

野暮な人間ではない。

 

 

 

 触れるのが正解の場合、

「自分からは言い出しにくいけど

 変わった自分に気が付いて欲しい」

こんな気持ちもあるはず。

 

 

それをそのまま見ぬ振りするは

少しばかり寂しい人間関係。

 

 

まてよ、僕は試されてるのではないか?

 

「いつまで指示待ち人間でいるつもりだ。

 お前も部下を持つ立場なら自ら行動し

 その背中を後陣に示すのだ。」

 

そんな彼からのメッセージではないのか?

 

 

 

「いや~、いいツヤですね。

 天使の輪っかも出来てますよ。

 前よりホント輝いてますね。」

 

この野郎!ポカっ!⇒一同、笑う。

このパターン?

 

 

 

だめだ、だめだ。

人の身体的特徴を揶揄することは

いくら親しい関係性においてもご法度。

冷血ロボでもそこまで堕ちきってはいない。

 

 

フランクに

「いいですね、似合ってますよ。

 また男前があがりましたね。」

これだな。これで行こう。

自然で相手を思いやる気持ちも届くはず。

何事も素直な気持ちが一番なんだ。

 

 

 

 

 

あの時もこんな風に深く相手の気持ちを考え、

自分の気持ちを素直に言葉にすれば

違った結末が待っていたのかもしれない。

 

 

 

「優しさ」ってものが何なのかは

はっきりとはわからないままだけれど、

相手の気持ちを考えて、そして耳を傾けること

これが第一歩なんだということに

やっと気がつくことが出来たと思う。

ありがとう、ボス。そしてリーブ21

 

 

 

まあ、こうしてネタにしている時点で

優しさどうこう言う資格はないよね。

 

 

 

僕は冷たいブリキの木こり。

優しい心が欲しいです。

魔法使いに会いに行こう、エメラルドの国へ。

有給取れたらの話だが・・・

忙しい。

  

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他日記ブログ たわごとへ
にほんブログ村