I didn't meet the Blue Bird.
振り返ってみると昨年という一年間は
考えさせられる出来事や思うところ多々あり、
柄にもなく新年の抱負なんぞを立ててみる。
「他人にも自分にも敬意を、そして感謝を」
だがしかし、年を一つ越えたところで
急に何が変わる訳でもない。
”男子三日会わざれば刮目して見よ”
と言われても三日坊主にゃ当てはまらず。
節目に誓った新たな気持ちや決意の
賞味期限も僕の場合はいいとこ1週間。
昨年あんだけ碌な目に合わなかった飲みの席も
誘いがあればホイホイホイ。ゴキにも劣る自制心。
「何かいいことあるかもね。」
あらぬ期待を胸に秘め、懲りずに繰り出す夜の街。
新年会と称した単なる身内の飲み会。
気心知れてる仲間だけに遠慮や虚勢も必要なし。
今夜の試合は勝手知ったるホーム・ゲーム。
肩の力が抜けてオシボリで顔を拭う、
これぞ正しきオッサンの作法。
そしてこれも欠かせない。「とりあえずビール！」
こんな感じで気軽に使ってしまう
「とりあえず○○」
もし、このフレーズを使用するのならば、
時々でいい、少しだけ考えみてはくれないか？
○○の気持ちを。
頭の中で♪素敵だね♪を流しながら
FF10のエンディングを真似て問題提起。
良かったら今宵も僕の話を聞いて欲しい。
「どうせいつもの無駄話だろ？」
まあ、そうユウナって。図星だけど。
「とりあえずビール。」
「とりあえずアイツに任せとけ。」
「とりあえずそんなもんで。」
よく耳にして使用してしまうフレーズ。
「とりあえず」の後に続く言葉には
ある種の信頼感・安心感を抱いているはずだ。
そいつにしておけば間違いはない、とのね。
だが、同時に「とりあえず」の後に続く
モノに対し、敬意というものが感じられない。
むしろ上から目線にて軽視している感は否めない。
「アイツでいっかー。」的なね。
さらに言えば、最高の選択肢ではないけど、
こう言っているのと同義である。
もしも、自分がこんな感じに言われたら？
どんな気持ちになるか、想像しなくても解るだろ？
可笑しな話ではないだろうか？
信頼している者を軽視するだなんて。
安心感を与えてくれる存在に対し
随分と無礼な態度。人道に反する。
そこまで深い侮蔑の念は持っていない、
それは分かってる。甘えにも似た安心感が
ついつい感謝や敬意を忘れさせてしまうだけ。
でも、ぞんざいな扱いに愛想つかされたら？
何処にでもあるよくある話だ。
安心感に胡座をかき、感謝を忘れ、別離。
居なくなって初めて気付いた時にはもう手遅れ。
ビールは既に品切れだ。
あぁ、琥珀色の君よ。
芳醇な味わいの中に仄かな苦味を抱きながら
喉越しを過ぎるキレ味のよいスピードで
僕の前から消えて行くのね、泡のように。
また「とりあえず」の先に安易に走り出すことは
最良の選択を求める思考の旅を放棄する
という一種の逃避行動を意味する。
選択することには常に責任が付き纏うから。
即ち、「私は無責任な人間です。」と
公言しているのと変わらないのだ。
どうだろうか？「とりあえず」という
言葉の恐ろしさに少しは気付いて貰えただろうか？
これからは「とりあえず」の代わりに
「やっぱり」や「満を持して」といった
枕言葉を使ってはいかがだろうか？
後に続くモノもそれなら気分が良かろう。
「その黄金色は伊達じゃない。
ご存知売り上げNO.1の金メダリスト！
今宵も僕を酔わせておくれ。
さあ、満を持しての登場です。
Mr. King of アルコール！、ビール！
あと、串盛りお願いね。」
これはやり過ぎ。・・・やったけど。
最初のオーダーが届く前から笑い声が絶えぬ。
酒の力を借りずとも、裏を読む必要のない
会話の喜びが心を上気させ早くもほろ酔い気分。
後何度、気を遣わずに過ごせるこんな仲間と
楽しい時間を共有していけるのだろうか？
そばに居てくれるのが当たり前。
そんな感覚に溺れ、敬意や感謝を蔑ろにせず
”気心知れぬ”と”気遣い無用”
その意味を履き違えない様、大切に過ごしたい。
うーん、ところで一ついいかな？
Yちゃん、来るって聞いてたんだけど。
もしかして・・・うん、やっぱそうだよね。
また次の機会にね。初回コールド負け確定。
雪は散る散る 夜は満ちる
結局 青い鳥会えず
今日はこれで我慢、焼き鳥を塩で。
１杯目は勿論、とりあえずビールで。
