遠回りした帰り道

 

 

 


古代より月は神秘の象徴として崇められてきた。
月の灯りは人を魅了し狂わせるというが
それは間違いだ。人はお月様の前では
素直な姿を晒してしまう、ただそれだけだ。

 

 

 


北風と太陽の逸話にあるよう、
人の本音や感情を露わにするのに
必要なのは力ではない、優しさだ。
北風より太陽、太陽よりもお月様。
人はお月様の前では素直にならざる得ない。

 

 

 


「月が綺麗ですね。」
夏目先生が思わずそう例えたのも
秘めていた本心が月灯りに照らされ
露わになる様を表現したのだろう。

 

 

 


日記帳やラブレター、
秘め事は夜に綴るのが常。
感情が溢れ出すは光の中より灯りの下。
想いのたけを筆の赴くままに託す。

 

 

 

 

朝になって読み返し思わず赤面、ゴミ箱行き。
誰にだって経験があるだろう?
それでもいいじゃないか。時には必要さ、
素直でありのままな自分でいることも。

 

 

 

 

もしも伝えたい想いを秘めているのならば
月夜の晩に綴ってみよう。
青白い月灯りが道標となり、
想い人の元へ、きっと届けてくれるはず。
月の魔力とはそういうものさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・蜂蜜
 ・あん蜜
 ・君との秘密」


「何の3密ですか?」


「小沢さんの3密です。」


「甘~い!」

 

 


昨晩、淡い月明りと共に届くは
不毛なやり取り、ライン大喜利
起き抜けに読み返し、猛省。

 

 

「“勇気”は朝日と共にやってくる」
カーネギーはそう言っていたが
やってきたのは“後悔”の二文字。

 

 

溢れ出たものが大喜利とは
君はどんな想いを届けたかったのだろうか?
何に対して素直になっているのだろうか?
お月様は優しく照らすだけで答えてはくれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


梟は今宵も闇の中へと飛び立ち
“知性”の代わりに“恥性”を届ける。
僕を担当してくれている梟さんの
狩りの腕前はどうやらイマイチらしい。

 

 

ミネルヴァさんが適当に選んだで
あろうことは想像に難くない。
女神さまにまで軽んじられている、
つくづく女運が無いものだと
目頭が熱くなってきたので本日はこの辺でお開き。

 

 

 

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