R.I.P

今の若い人にはあまり馴染みのない文化だろう。
でも案外良いもんなんだ。手紙ってやつは。

 

 

手書きの文章には表情があり、
書き手の癖から綴っている時の心情まで
読みとれる、いや、自然と感じ取れてしまう。
相手を想ってオシャレを楽しむかのように
便箋や封筒を選ぶのも素敵なことだ。

 

 

そんな想いの詰まった手紙を受け取ったら
誰にだって大切な宝物になるだろう。
子供の頃から貰った手紙は残らず
今でも大事に宝箱の中にしまってある。

 

 

それでもいつか手放さなければいけない時は来る。
最近、少し思うところあり身辺整理を始めている。
想い出いっぱいの手紙はその処分候補の筆頭だ。
書いた手紙も受け取った手紙も当事者以外の
目には触れさせたくないものだろう?

 

 


昔、美術館のゴッホ展に足を運んだことがある。
絵画と共に彼の私的な手紙まで陳列されていたことに
対しひどく憤慨したことを覚えている。

 

 


自分だけに贈られた想いを
他人の目に晒すことは好まない。
送り手にとっても失礼に当たるし
大事な想いだからこそ、
自分の中だけに大切に留めておきたい。
誰だってそうだろう?

 

 


だからこそ、この世に別れを告げる前には
誰の目にも触れられぬ様に処分しなければならない。
とはいったもののシュレッダー行きというのも
ちょっとアレな感じもする、燃やすのもなんか違う。
色々と考えた末に文供養が無難かなと思い始めていた。

 

 


・・・・・いや、まてよ。
文供養の前にすべきことがあるはずだ。
駄文執筆界隈の住人にはその責任がある。
ネタ供養を忘れてはいないだろうか?

 

 


駄文を綴る時に避けては通れぬ道
それがネタ。実体験や流行、名言、
森羅万象すべてがネタの原石。
中でもこの界隈の人種が好むネタの一つに
漫画ネタというものがある。

 

 


クリリンのことかー」
「あきらめたらそこで試合終了だよ。」
安西先生、バスケがしたいです。」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
「最後に一つ熱いお茶が怖い」

 

 

有名どころの数々のネタ達。
寿司で例えれば大間産のマグロ級。
一度は、もじり、イジリ、あらゆる調理法で
加工されたネタを目にしたことがあるだろう。
それにつけてもジャンプばっかり。
集英社と書いてインド洋と読むんだね、優良な漁場。

 

 


しかしながら時代の流れと共に
使用される機会は殆どなくなってきている。
ネタだけに鮮度が命であるところは変わらない。
その時のトレンドに合わせたネタこそが
重宝されるものなのだ。

 

 


そんな追憶の彼方に霞んで見える
古き良きネタ達に再度、
日の当たる場所で輝いてもらうことこそが
最大の供養ではないのだろうか?
それが我々ダブンナーに課せられた
使命ではないのだろうか?

 

 


これからしばらくの間は
過去に使い古されたネタを頻繁に使ってみよう。
少なくとも1記事1回とノルマを決めて。
いつの時代であっても諺のように
当たり前に皆が笑ってくれることを願って。

 

 

この記事の面白さが理解出来ないって?
そりゃお前が「坊やだからさ。」
・・・・・こんな雑な使われ方したら
浮かばれないっての、供養どころか苦用だよ。

 


でも大丈夫、シェンロンにお願いすれば・・・・
・・・・・雑すぎ。

 


これにて本日のノルマクリア。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 


つい先日、古い友人の訃報が届いた。

 

 


長年コンタクトを取っていた訳でもないせいか、
この年齢になると親しい人物との別離を
何度か経験してきたせいなのか。
知らせを聞いた時には涙一粒流すこともなかった。

 

 


自分が冷たい人間であることを再認識した。
ただ、哀愁の念と心が少し欠けた感覚を覚えた。

 

 


人間いつ何があるか分からないもんだと
身辺整理を少しづつ始めることにした。
宝箱の中身を処分しようかと漁っていると
友人と共にとった写真が出てきた。
お互い真正面を向かないところがらしくていい。

 

 

不意を突かれた。
気がつくと止め処なく涙が溢れていた。
どうやら歳を取ると遅れてくるのは
筋肉痛だけではないらしい。
心の痛みも遅れてやってくるもんだ。

 

 


今回の駄文は友人に向けて僕なりの弔辞。
不謹慎だと思われるだろう。
でも、これでいいのだ。

 

 

ユーモアというものを心から愛していた
友との別れに涙はふさわしくない。
ありきたりの悲しみを表現したら
「つまんねー。」とダメ出しされるだけ。
よりくだらないほうがいい。
それが僕らの在り方だったから。

 


過去形で話さなければならないことを
少しだけ寂しく思う。   R.I.P

 

  

 

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