赤鬼君には終わらない歌を
「来年の事を言うと鬼が笑う」
一口に「笑い」と言っても色々ある。
微笑み、苦笑に嘲笑、嘲り笑い、泣き笑い、
優しい笑み、引きつり笑い、乾いた笑い、etc。
どうせ笑われるのであれば、
狙うは勿論、大爆笑。
腹の皮が攀じ切れんばかりの大笑い、
そんな笑いを取ってみたい。
鬼も堪らず酸欠起こす、救急搬送即入院。
核も兵士も使わずに、一夜の内に鬼ヶ島陥落。
これぞ平和的鬼退治、令和2年の無血革命。
名だたる太郎達を集め、セミナー開催。
こんなリズム重視の妄言吐けば
鬼はどんな顔して笑うだろうか?
苦笑い、若しくは、乾いた笑いが関の山。
一体、どんな戯言を吐けば爆笑させれる?
鬼の笑いのツボとは何ぞや?
しかも、お題は「来年の事」限定。
座布団十枚が天文学的数字に思える。
山田君に袖の下でも渡そうか?
<鬼リカン・ジョーク>
夫鬼「鬼のパンツはいいパンツ、
強いぞー。強いぞー。
ガッハッハッハ!どうだい、ワイフ?
新年に向け新調したワシの新しいパンツ、
素敵だろう?強そうに見えるだろ?」
妻鬼「そうね、ダーリン、素敵だわ。
とても強そうに見えるわね。
どこで買ったのかしら?
品揃えもきっといいお店なのね。」
夫鬼「おーそうかそうか、
お前も気に入ったのか。何、心配するな。
ちゃんとお前の分も買ってあるから。」
妻鬼「いえ、あたしが欲しいのは
パンツじゃなくて強そうな金棒よ。
あなたのじゃ、物足りなくて。」
赤鬼くんの初夢、夢枕にたつは青鬼くん。
青鬼「どうしたんだい、赤鬼くん。
相変わらず泣いてばかりだね。」
赤鬼「青鬼くん。どうして僕を置いて
去ってしまったんだい?
僕は寂しくて寂しくて。」
青鬼「もう君は一人じゃないだろう。
たくさんの人間の友達が出来た
じゃないか。大丈夫だよ。」
赤鬼「君は僕にとって
掛け替えの無い親友なんだ。
君の代わりになるヤツなんて
どこを探してもいないよ。」
青鬼「赤鬼くん・・・
そんなにも僕のことを必要として
くれていたんだね、嬉しいよ。」
赤鬼「そうさ、君が必要なんだ。また、
新しい人間と仲良くなりたい時には
誰に悪役を頼めばいいって言うんだい?。」
<鬼謎掛け>
毎度、馬鹿馬鹿しい話を一席。
さて今年も残すところあと僅かとなり
来年に向けて遣り残したことは無いか、
振り返る毎日を送ってはいませんか?
私事ではありますが、
遣り残したこと悔いが残ること、と言えば、
元恋人ともう一度だけ話合いたい。
ホンの少しのすれ違い、ボタンの掛け違い
どうにか修正出来ないものかとね。
「来年も宜しくね」
この一言が何より言いたく、何より遠い。
と、ここで一つ大問題が。
女々しい男故、別れたその日に連絡先を
すべて消去してしまったもので。
打つ手もなく途方に暮れる年の暮れ、
雪降り積もらずとも、後悔ばかりが募ります。
ここで一つ。
「連絡先を消した元恋人」、と掛けまして
「泣いた赤鬼」と解きます。
どちらも
「会おうにも(青鬼も)もう会えないでしょう。」
お後が宜しいようで。
<鬼漫才>
「はーい、どーも。」
赤「赤鬼です。」
青「青鬼です。」
赤&青「二人合わせて紫死鬼部です。」
赤「いやー、青鬼くん、年末ですな。」
青「そうですな、赤鬼くん。
ところで来年の目標なんか
もう考えてますかな?」
赤「そうだねー、いや、ひっかけやろ?
言うたら君、笑うつもりやろ?
来年のこと言うたー、鬼だけにて。」
青「そないなことせえへんがな。
じゃあ、僕から言いますわ。
僕の目標は二つ名を持つこと。」
赤「なんやしらけったいな目標やな~。
なんでそんな目標にしたん?」
青「いや、君が羨ましくて。
もう持ってますやん。
『泣いた』赤鬼って。
泣くと言えば赤鬼、赤鬼と言えば泣く。」
赤「褒められてんだが、
馬鹿にされてるんだか、
複雑やな~。よっしゃ、わかった。
僕が付けたるわ。」
青「え、ホンマに?嬉しいわ~。」
赤「ほな、『ナイター』青鬼。」
青「続きまして背番号02、
ポジション脇役、
・・ってだれが脇役じゃ。
地肌、地肌、背番号入れたら刺青やんけ。」
赤「『ロイター』青鬼。」
青「次のニュースです。
先程入ったばかりの速報です。
たった今、鬼ヶ島が襲撃された模様。
現地の黒鬼さーん、
・・・・って誰がジャーナリストじゃ。
むしろ通信される側じゃ。」
赤「『ツイッター』青鬼。」
青「鬼ヶ島なう。#桃太郎
もう鬼ヶ島ネタはええって。」
赤「『君が居た』青鬼。
『ずっと傍に居てくれた』青鬼。
でも『去っていった』青鬼。」
青「・・・赤鬼くん・・・」
赤「『僕を一人残し
温もりだけ残して
忘れられないあの夏のメモリー
もう会おうにも会えない』青鬼
Woo Woo Fuu~ Foever~」
青「ってJ-POPっか。
もうええわ、やめさしてもらいますわ。」
赤&青「どうもありがとうございましたー。」
そういう意味じゃないんだよね、この諺は。
肩をすくめ、「ふぅ。」
首を横に振る鬼の顔が浮かぶ。
笑いの道、険し。喜劇王への道、遠し。
来年の抱負と言うか、座右の銘には
チャップリンの名言を心に留め置こう。
とても大切な事だから
忘れずに綴っておきたい。
My pain may be the reason
for somebody’s laugh.
But my laugh must never be the reason
for somebody’s pain.
実際のところ、この諺が指し示す
「笑う」ってのは嘲笑のことを指すそうだ。
何?僕の一番嫌いなヤツだ。
やっぱり退治、セミナー開催決定。